鎌倉能舞台 狂言『鐘の音』、能『江野島』 野村萬斎氏、中森寛太氏

令和5年(2023)1月5日

  

    

鎌倉芸術間で午後2時から開演されました能楽協会、鎌倉能舞台主催、日本全国能楽キャラバン!in神奈川 による『神秘の島 祈祷の響き『江野島』と狂言『鐘の音』を鑑賞致しました。

狂言『鐘の音』には、寿福寺・極楽寺・円覚寺・建長寺のそれぞれの鐘の音を演者である野村萬斎氏独特の声で表現されるところがなんとも可笑しくて思わず笑ってしまう面白さが。

『江野島』は、現在の江の島ができた謂れは、鎌倉深沢に住んでいた龍神が災いを絶えず起こして住民を困らせてばかりいるので、弁財天が現れて、その悪行をやめれば、夫婦になってもよいと告げ、龍神はそれを承伏。後に弁財天と夫婦となり、さらに自身は五頭龍王となり国土を守る立場となったというお話です。

鎌倉深沢の龍神は、やがて江の島へと移動し、龍口明神となって、鎌倉深沢を含め鎌倉一帯が災いから守られるようになったと理解しました。

龍口明神の由来も改めてわかりました。そして、今注目されている鎌倉深沢は特にワルサばかりしていた龍神は去り、今は穏やかな場所となり災いから守られている安全な場所であるということがわかり、この演目から、伝説とはいえ確認できた思いです。

『江野島』という演目は、ご当地過ぎてなかなか公演されることがない、というお話でしたが、逆に貴重な演目を鑑賞することができたことになりました。

新春に、能と狂言という日本の伝統文化に身近に触れるひと時を頂きましたことに深く感謝しております。

※写真は、面白く楽しい狂言『鐘の音』で太郎冠者役をされた野村萬斎さん、そして時代は6世紀の頃に人々に災いを沢山齎せて困らせていたといわれている鎌倉深沢に住んでいた龍神約をされた中森寛太さん、そして鎌倉能舞台で行っている鎌倉子ども能で勉強をしている小学生、十五童子を演じている二人の生徒さん。