義兄 没後35年澁澤龍彦 特別展at鎌倉文学館に家族で。 

令和4年(2022)12月3日

   

澁澤龍彦は、義兄です。

久しぶりに家族で鎌倉文学館を訪れました。良い機会であり、ひと時となりました。

美しい紅葉と薔薇の鎌倉文学館でした。

来年度から暫くこの建物は、大々的な改修工事に入ります。この建物は、旧華頂の宮邸と並ぶ国の登録有形文化財です。

今回の展覧会は澁澤龍彦が平安時代の実在の人物高丘親王が天竺に幻想的な旅をしたとする、亡くなる直前に書き終え、傑作幻想小説として絶賛された遺作、『高丘親王航海記』が中心となった展示です。

澁澤龍彦の展覧会は2回目、鎌倉の文学者としては常設にもなっています。

喉頭癌の手術を終え、退院して自宅に戻り、声をうしなった義兄と筆談で会話をしたことを今でも鮮明に覚えています。 一方で、この『高丘親王航海記』を無事書き上げた安堵感のようなものを義兄の表情から感じたことも同時に思い出します。

ある時は秘書、そしていつも妻として寄り添った姉は今でも、こうした展示会のための資料などの保管管理や著書の刊行など義兄に関する様々なことに尽力しています。

 

   

 

     

 

  

   

 

紅葉も薔薇も美しいのですが、何より一際目についたのは、この『アンデスの乙女』というマメ科の木の花です。

ヤマブキ色のこの美しい花は、耐寒性に強く、太平洋側で陽当たりの良い場所なら良く育つとありました。他には皇帝ダリアが綺麗に咲いて、晩秋の庭を引き立てていました。