俳句ユネスコ無形文化遺産推進協議会総会開催。 『言葉の力』。
令和4年(2022)7月12日
鎌倉の鶴岡八幡宮直会殿を会場にお借りして『俳句ユネスコ無形文化遺産登録推進協議会』の令和4年の総会が開催されました。
会場は非常に多くの方の出席があり、関心の高さを感じました。
この会は、平成29年4月に設立され、国際俳句交流会、現代俳句協会、(公社)俳人協会、(公社)日本伝統俳句協会の4協会をはじめ俳句にゆかりのある自治体等によるものです。
俳句は現代において、国内外の愛好者をもち、詠むことで、季語や季題を意識し、気象や動植物などの自然に寄り添いながらの日常生活が生まれ、心の隙間にそっと入り、感性や美意識を体現ができ豊かにしてくれるものだと思っています。
美しく優しい言葉を紡ぐということは、人の生活にゆとりと人間らしさを呼び起こしてくれるとも言えるでしょう。
さまざまな分野で技術が進歩し、進む情報化の中で、人と人との関係が希薄になりつつあり、お互いを乱暴に扱うようになりがちです。言葉の暴力はひどいもの。言い放した方が勝ち!といったように。
行間を読まない、読めない場合が多く感じられます。だから尚更にはっきりと言わなくては伝わらないことが多く、言葉はどんどん乱暴になります。嘘と分かっていても誠しやか言葉を操る姿は許せない場面が沢山あります。
また一生懸命相手に伝えているつもりが、パワハラだと逆ギレされる始末で、困っている方達の話も聞きます。
寂しいことです。
もっと言葉を大切にして人は気持ちを整えることができるはず、と考えています。
元々、日本人がもっている豊かな感性、しなやかな言葉の使い方を保存してきたい、という思いで、この俳句。。。に賛同しています。
昨年、令和3年(2021)の4月にはルールが変わり、まずは俳句を無形文化財にしなくてはいけない、というハードルがまた一段高くなってしまいました。
登録は、この会の創設者であり、前会長の有馬明人(文部大臣、東京大学総長等をされました)氏の長年の夢でありました。
有馬先生には、お目にかかる度に大変親しく声をかけて頂いておりました。
登録に向けてがんばろうね~といつも言われていました。
その夢に向かって、これから先も歩み続け、実績を積んでいくことになります。この協議会への自治体の加入も38団体と増え、各市町からの参加があります。勿論鎌倉市も参加しています。
総会終了後は、ベルギー首相をかつて務め、初代EU大統領を二期務められ、オランダ俳句作家として句集も出されているヘルマン・フアン・ロンパイ氏の『言葉の力』と題した講演もあり、言葉についての考え方をさらに学ぶ機会を得ることができました。
文華館 と 蓮池