第22回 鎌倉全国俳句大会

令和5年(2023)11月26日

鎌倉虚子立子記念館主催の『第22回 鎌倉全国俳句大会』授賞式が、今年も鶴岡八幡宮直会殿で開催されました。

青少年から一般の部までの各入賞者が表彰されました。今回も、どの句も、なるほど・・・さすが・・・と感心してうなづけるものばかりでした。

当日投句の表彰は、今年も会の最後に行われ、これもまた盛り上がりました。

  

基調講演は、俳誌『小熊座』主宰 日本現代詩歌文学館館長 高野ムツオさん。『俳句と私』という演題でした。

宮城県栗原市出身の高野さんは、子どもの頃から自転車で近くの川岸へ行き、広い平野やその先には海を感じながら、夕焼けを見に行きぼーっと夕焼けの向こうの山の向こうの山の向こうに何があるのか~などと想うことが好きだったそうです。子どもの頃からロマンチストというのでしょうか。

東日本大震災の時は、仙台駅の地下で知人と食事をしていたそうです。数多くの震災後の俳句がありますが、どれも季語にとらわれず詠まれる高野さんの俳句は、自分の実感そのものを俳句にすると教わってきたそのままで表し、言葉の面白さ、俳句のちから、俳句から様々学んだり、学ばされたり、森羅万象の世界と向き合いながら、起こった事項を俳句で伝えたい、と講演を締めくくられました。

 

いつも思うのは、言葉を大切にして言葉を紡ぐ方達に敬意を表します。そして毎年この日は、俳句漬けの半日となる幸せに感謝いたします。

93歳になられた星野椿先生からは、まだまだ言葉について教わることばかりです。おそばにいるだけで、知らないうちに椿ワールドに引き込まれてしまう話術に、感謝します。飾らないけど的を得て、時に笑いを誘うトンチの効いた言葉を使われる椿さん先生のエネルギーに、いつも元気を頂きます。

椿さんのイトコさんにあたる松田美子さんとお二人の俳人は、いつも支え合い俳句の世界を支えておられます。

俳句だけでなく、その生き方、様々なところに気遣い、感じたことを率直に言われる姿勢、心から尊敬しております。

星野高士先生は、今や虚子立子記念館を運営する館長であり、大黒柱。

これからも益々、繁栄することを祈っております。そして、聞き耳を立てて、優しさ、鋭さ、柔らかさ、しなやかさ、時には皮肉を交えてピリッと辛口、言葉を勉強していこうと思います。