鎌倉の観光の飽和状態は続いています!!住民へのリスペクトを願います!

令和6年(2024)6月27日

鎌倉の観光について、少し書きたいと思います。

一昨日のことですが、鎌倉市長谷坂の下お住まいの知人から電話で。。。

鎌倉駅で江ノ電に乗って帰ろうとした先週の木曜日に、あまりの混雑で乗れなくて、和田塚駅まで歩き、長谷まで二つ乗った、というお話。

この方、昨年背骨の狭窄症を起こし手術をして、やっと回復して歩いて出られるようになりました。そうした人が、鎌倉駅が家に帰るのに、観光客が多すぎて江ノ電に乗れなかったということなのです。

毎日のように、テレビ等でも、この観光の飽和状態について報道があり、その報道に気が付けば、どういう内容なのか、をチェックしています。

京都の伊根町は、『マナー教育 伊根約束』を作成。観光客数が最近一気に5倍に膨れ上がったといいます。そこでツアー会社により受け入れの際にはこのマナー教育を観光客に行い、住民の生活を理解してもらう。そして必ず2泊滞在し、その理解の下で観光し、住民をリスペクトすることを求めている、ということです。

姫路城のある姫路市では、市長により、世界遺産である姫路城は木のつくりであるので、毎日多くの人が上ると気がすり減り、壊れやすくなる。また市民の憩いの場でもあるところが、蔑ろにされてしまう、という理由と共に、修繕や維持管理費用などを含めた財源を確保したい、ということで、地元民と観光客に差をつけて4倍に入場料を値上げしたい、ということです。現在18歳以上を1000円としているところ、外国人観光客はその4倍に引き上げたいということです。

海外では、スペインなどでは、もう観光客は来るな、というデモ行進まで行われています。

日本人と外国人の料金の差別化等を、懸念する声もあるようですが、懸念する前に現実に直視してもらいたい、と常々思うのが、現状を知らない人達が、勝手なコメントをすることを聞いていて、非常に残念な思いをすることが多々あります。 ただ、こうしたテレビの報道により、情報を知ることができることはありがたいことである。

3カ月連続して外国人観光客が増加している現状。日本の風景や建物がSNSで拡散されてしまい、新たな聖地がつくられてしまう、ということの繰り返しが日本の各地で起こっているということなのです。

さらに、海外資本のホテルが多い日本では、宿泊代の売り上げは、全て海外に落ちてしまい、日本に全くメリットはないということがわかります。

宿泊税など期待できない現実です。

日本はただいま円安が進行中!!とどまるところを知らない、と昨日報道されたばかりです。あ~まだまだ、この国のいうオーバーツーリズムが続くのか、ということを考えると、鎌倉が壊れてしまう!!!と心配しきりです。

日本中の各地で、観光客の多さに悲鳴をあげているのです!!

経済的な効果だけでなく、生活文化を守る取り組みを切望しているのです!!

先日、観光政策、観光対策をまとめる立場というある人物に、ある会で、鎌倉のこの今の現状を伝えようとしました。現実にこの鎌倉でどういう状況かを伝え始めると。。。

「そんなにイヤなら、引っ越せばいい!!」

さらに、「これといった政策がなかなか見つからない中で、鎌倉の市域、特に混雑する地域は狭いので、鎌倉は狭い!!だから観光に来る人達に、私たち住民がいるということを伝え、マナーやシップの強化を発信して欲しい」と言うと、

「そんな程度の政策しか思いつかないのか、もう、おわっているな!!」と返されました。

テレビでの報道や、そのスタジオでのコメントの一部と変わらない現実を突きつけられた思いでした。実際には、現場を見ていないで、データで物を言い、これからアンケートをとって、回収して、結果は来年、ということのようです。コロナ前にもこの所謂オーバーツーリズムと言っている現象はあり、多くの兆候が見られていたはず。コロナがいずれ明けたら、現在のようなことになることは、観光の専門家ならわかっていたはず、と反論したいです。コロナ中の4年間に国も県も研究をしていなかった、ということに尽きます!!!遅い!!非常に遅くて情けない!!

鎌倉に来る多くの観光客は、鎌倉を観光したら箱根方面に向かい、宿泊します。 だから宿泊税など期待できないのが現実と考えます。しかし、鎌倉市がそうした政策から始めるというのなら、それも否めません。

日本が観光客に厳しくすると、日本の印象が悪くなる、というヒトが報道に対するコメンテーターの発言を見ることがあります。一時、印象が悪くなるなら、それも仕方がないのでは・・・と感じます。それも現実を見ていない最たるものだと思っています。

「引っ越せばいい!!」と言ったそのヒトの背景を言うつもりもありません。その程度のことだとわかり、先々のことを考えると、かえってよかったのです。

現実をそのヒトに伝えなくては。。。と思った自分が愚かでした。

私も人間ですから、感情的にもなりますが。。。

そのヒトに話した私が悪かったのです。観光に長けているということだったから話をしようとしたまでですが、実際には現場を見ていないヒトです。相手を間違えました。

そうしたヒトに頼ることは諦めました。

今は、鎌倉市民も市内各地で起きている観光による公害について知らないことも多く、今は、知人や色々な場でお話すると、現実として受け止めて理解してもらえるので、沢山話をするようにしています。自分が住んでいる地域だけでなく、他にもこんなことが起きているという現実をです。

 

「改めて、観光に訪れる方達に申し上げます。鎌倉は狭いのです。住民は静かに住みたいので、どうぞ、それに合わせて起こしください。お願いします。」

 

国は、日本の中で20のモデル地域を選定するということです。その中に鎌倉・藤沢は含まれています。

地域の実情に応じた具体的な対策を進めるとして上限8000万円(費用の3分の2を補助する)という案があるようです。現在審査中だそうですが、 オーバーツーリズムという現象を防止、あるいは抑制に向けた対策を進めるための政策としているようです。色々な口出しをすることなく、その防止と抑制に効果があることを強く期待します。

その20地域は・・・

北海道美瑛町

ニセコエリア

奥入瀬

蔵王

川越

浅草

鎌倉・藤沢

箱根

富士山(吉田口 富士宮口)

佐渡

白川郷

京都

高野山

奈良公園 山の辺の道

西西表島

仁淀川流域

出雲大社

宮島・宮島口

阿蘇