国指定史跡大町釈迦堂口遺跡崩落対策工事が行われます。

令和3年(2021)12月30日

国指定史跡大町釈迦堂口遺跡崩落対策工事についてです。

先だっての12月議会で正式に対策工事が進むことが決まりました。期間は令和4年度から5年度のy久2年かかることになっており、2023年2月に竣工予定です。

平成22年、23年に相次いで起こった崩落事故で現在はく歩いて通る事さえできなくなっており、全くの通行不可能な状態になっております。月日の経つのは早いもので、崩落してから10年以上が経ってしまっています。

この度は、大町側の対策工事ではありますが、いよいよ対策工事が行われることになりました。

その工法ですが、大きく4つに工種がわかれます。

1.ルートパイル工(トンネルの上部の岩盤内部についての工法です)

トンネルの上部は、岩盤度ごとに大規模に崩落する危険性があることから、トンネルの北側に立坑を掘り、その立坑内から岩盤内部を水平方向に鋼製の芯材を15本挿入するルートパイル工を施工し、この芯材によりトンネル上部の岩塊を串刺しにすることで、崩落を防止します。

   

 

2.ロックボルト工(トンネル内部の表面の工事)

トンネル内部は、小規模な層状の崩落や風化の恐れがあるため、側面及び天井部にロックボルト(鉄筋)を挿入して崩落を防止するとともに、トンネル内側の表面にはモルタルを吹き付けて表面をほごすることで、風化の防止を図ります。

尚、史跡としての景観に配慮し、モルタル吹き付けが完了したのちには表面塗装工としてエージング処理を施し、施工前の岩盤の状態を再現します。

 

3・基質強化工(トンネル上部の表面)

トンネル上部の大町側にあるやぐらとその周辺岩盤も風化、剥落のおさおれがあるため、石材を強化する薬剤を岩盤にしみこませる基質処理工を行い、やぐら表面の風化の防止を図ります。透明の薬剤をしみ込ませるもので、やぐら表面の見た目に変化はありません。

4.高強度ネット・鉄筋挿入工(大町側、トンネル向かって右側手前の斜面)トンネル手前の大町側の斜面に大規模な崩落が生じており、今後の崩落の恐れがあることから、落石防護網である高強度ネット工と鉄筋挿入工を併用し、斜面の崩落を防止します。

 

今回は、大町側の工事ということです。浄明寺側の道路の改善にはまだ時間がかかります。道路は、県の部分、市の部分が点在しおり、所管するところの工事がどのように展開されるか、は大町側の工事が終了してからのようです。従って通り抜けることはまだまだ先のことになりまそうです。早く開通して欲しいという思いで委員会で確認致しました。

この場所は、平成20年7月末から12月初旬までの約4カ月間調査が行われました。調査により多数の遺構・遺物が発見され、その年代は13世紀後半から15世紀以降の物であることがわかりました。大町釈迦堂遺跡のある谷は名越が谷といいます。名越というのは現在も鎌倉に残る地名ではありますが、鎌倉時代は現在の大町から材木座に至るかなり広い範囲を指していたそうです。そして名越ヶ谷の谷内には名越やあオア同あと、慈恩寺、木束手アr、西門寺など多くの寺院があったそうです。

この遺跡には、昔から有名な日月やぐらや唐糸やぐら等があり、64基のやぐらがあることがわかっています。これらは14世紀前半からのものといわれているようです。